(±)
● ウロビリノーゲンは、ビリルビンの代謝産物で、尿中ウロビリノーゲンは、肝疾患や溶血性貧血で陽性になります。
直接型ビリルビンが腸に達すると、腸内細菌によりウロビリノーゲンとなります。
このウロビリノーゲンのほとんどは便に混じって排泄されますが、2割程度は腸管から再吸収されて、肝臓にもどり大部分は再びビリルビンになります(腸肝循環)。
このときすべてのウロビリノーゲンがビリルビンにはならず、腎臓より尿中に排泄されます。この尿中のウロビリノーゲンを調べるのが尿ウロビリノーゲン検査です。
尿中へのウロビリノーゲンの排泄は、その一連の生成過程などのさまざまな要因に影響されます。肝臓の障害の時には、胆汁中へ排泄されなかった多量のウロビリノーゲンが大循環中にたまり、尿中ウロビリノーゲンは増加します。
また、赤血球の破壊が亢進するときにはビリルビン生成が増加するため尿中ウロビリノーゲンも増加します。
一方、胆道閉塞がある場合は、肝臓からビリルビンが腸に排泄されないため、ウロビリノーゲンは生成されず、尿中ウロビリノーゲンは低下します。
ウロビリノーゲン処理能の低下(肝疾患、心不全など)
赤血球破壊機転の亢進によるビリルビンの過剰生成、体内出血巣の存在(脳出血・子宮外妊娠破裂など)、溶血性貧血(紫斑病・マラリア・溶血性黄疸・発作性夜間血色素尿症など)
腸管からのウロビリノーゲン吸収増加(便秘)
腎尿細管からの再吸収増加(アルカリ尿)