上部消化管検査(胃透視)

解説

● 上部消化管検査(胃透視)は、造影剤を用いて食道、胃、十二指腸を撮影する検査です。

この検査では、造影剤(バリウム)を胃や十二指腸の粘膜表面に体の回転により付着させ、発泡剤により空気を入れることで風船のように膨らませて、エックス線(X線)で撮影し、上部消化管(食道、胃、十二指腸)に異常がないかを調べます。

がん、潰瘍、ポリープなどの粘膜病変や、形態の異常などの診断に有効な検査です。

異常があった場合は、胃内視鏡で粘膜を直接観察したり、再び胃透視を行なって経過観察をしたりします。

● 注意点

胃透視は、放射線を使用するため妊娠中の方は基本的に検査を受けられません。

この検査で疑う疾患

食道がん、胃潰瘍、胃がん、胃ポリープ、十二指腸潰瘍 など

Coffee break!

● ゲップは、禁物

胃透視では、処置台(診察台)を動かして体位変換を行いながら検査をします。

体位変換を行うのは、バリウムという造影剤を飲んで胃粘膜の表面に薄く付着させ、粘膜に付いたバリウムの様子をいろいろな角度から撮影するためです。

このとき、発泡剤により空気で胃を膨らませます

空気が抜けるとうまく観察できないため、ゲップは禁物ですね。

胃の構造

胃の構造
胃の構造

Coffee break!

● 食道と胃のぜん動運動

食べ物は、食道のぜん動運動で、胃に運ばれます。胃では、胃液に含まれる消化酵素とともに、胃壁の筋肉が食物を撹拌、粉砕し、どろどろの状態にします。

この過程で、食物は小さな粒子に分解され、消化が進みます。

食道と胃のぜん動運動
食道と胃のぜん動運動