総蛋白(TP)

基準値

6.7~8.3 g/dL

解説

● 総蛋白(TP)は、栄養状態および肝機能、腎機能の指標になります。

栄養障害やネフローゼによる低蛋白血症で低下し、脱水や多発性骨髄腫などで上昇します。

血液中の蛋白質は、アルブミングロブリン凝固因子など100種類以上の蛋白質の成分で構成され、生体の維持や防御機構などに関与しています。

血液を遠心分離して得られた血清中では凝固関連の蛋白が取り除かれ、この段階での蛋白濃度を通常は総蛋白と称しています。


血清中の総蛋白量が8.5g/dL以上を高蛋白血症と呼び、6.0g/dL以下の場合を低蛋白血症といいます。総蛋白値は20歳代で最も高く、妊娠中は低値になり、食事の影響を受ける場合があります。

高値のときに疑う疾患

脱水症(各蛋白分画、血算値も上昇)

多発性骨髄腫(γ-分画の単クローン性増加を伴う)

原発性マクログロブリン血症、慢性感染症、膠原病 など

低値のときに疑う疾患

ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症、肝硬変、栄養摂取不良、吸収不良症候群

熱傷、胸水・腹水の貯留、水疱性皮膚疾患 など