中性脂肪(TG)

基準値

30~149 mg/dL

解説

● 中性脂肪は、主に体内のエネルギー源となる脂肪の一種です。高い場合は、動脈硬化性疾患の危険因子になります。

中性脂肪は、食餌中の主要な脂質成分で1日50~100gも摂取され、リンパ管から胸管を経て血中に入り、エネルギーとして利用されます。エネルギー源であるブドウ糖が不足した場合、それを補うためのエネルギー源です。

体内に取り込んだエネルギーが余った場合、肝臓で中性脂肪が合成され、皮下脂肪として蓄えられます。

血液中では超低比重リポ蛋白(VLDL)やカイロミクロンの主成分として存在し、これらの状態で中性脂肪は血中を輸送されています。食後は高値になるため、採血は空腹時に行います。

中性脂肪はコレステロール(特にLDLコレステロール)に次いで動脈硬化性疾患の危険因子とされ、また1,000mg/dL以上の高値の場合は急性膵炎を起こしやすいといわれています。

高値のときに疑う疾患

家族性高リポ蛋白血症(Ⅰ型、Ⅱb型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型)、糖尿病、甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症、クッシング症候群、急性・慢性膵炎、ネフローゼ症候群、アルコール依存症 など

低値のときに疑う疾患

無β-リポ蛋白血症

続発性脂質代謝異常、甲状腺機能亢進症、副腎皮質低下症、肝硬変、末期癌 など