● 胃は、食べ物を一時的に蓄え、消化、殺菌をする働きがあります。
胃の主な働きは、
胃は、食べ物を一時的に蓄え、消化、殺菌をする働きがあり、私たちが食べ物を摂取した後の消化プロセスにおいて重要な役割を果たしています。胃の主な働きについて説明します
a)食べ物の一時的な蓄積
胃は、食べ物を一時的に蓄えるための器官です。食物が食道から胃に入ると、胃の広々とした内部に収納されます。胃は、約1.3リットルの容量を持ち、その柔軟な壁が食物の収容を可能にします。
b)胃液の分泌
胃に食べ物が入ると、胃壁の細胞が胃液を分泌します。胃液は、主に塩酸と消化酵素からなります。塩酸は非常に強力な酸で、胃液のpHは1.0~1.5と非常に酸性です。胃壁から分泌される胃液の量は、一日に約2リットルにもなります。
c)食物の撹拌・粉砕
胃液に含まれる消化酵素とともに、胃壁の筋肉が食物を撹拌し、粉砕します。この撹拌運動と筋肉の収縮によって、食物はどろどろの状態になります。この過程で、食物は小さな粒子に分解され、消化が進みます。
d)殺菌作用
胃液には強い殺菌作用があります。胃内の塩酸は、多くの細菌やウイルスを殺すことができます。食物が胃に入ると、この強酸性の胃液によって食物中の病原体が不活化され、感染症のリスクを低減します。
胃の役割は、食べ物を一時的に貯蔵し、消化酵素と胃液によって食物を分解・消化し、殺菌作用によって病原体を排除することです。これによって、私たちは栄養を吸収し、健康を維持するために必要な栄養素を取り入れることができます。
しかし、胃の機能には個人差があり、胃液の分泌や胃の収縮力が異なることがあります。これにより、胃の働きが適切に行われず、消化不良や胃酸の逆流などの問題が生じることがあります。健康な胃の維持には、バランスの取れた食事、食事の摂取方法や時間の調整、ストレスの管理などが重要です。
Coffee break!
胃酸はかなり強力で、胃の中で食べ物を分解しますが、自分の胃は消化しません。
胃が消化されないのは、胃の細胞から胃酸に強い粘液が分泌され、胃の粘膜を保護しているからです。すごい仕組みですね。
胃壁の表面は全体が粘液に覆われ、胃液をだす小さな穴が開いています。
胃腺の奥には、胃液を作り出す無数の細胞が並んでいます。
Coffee break!
胃は、大きく分けて5つの層(粘膜、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜)から出来ています。胃がんは、最も内側にある粘膜の細胞が、何らかの原因によって、がん化したものです。
胃がんが内側の2層(粘膜・粘膜下層)にとどまっているものを”早期胃がん”といい、3層目(固有筋層)より深く入っているものを”進行胃がん”といいます。