赤血球数(RBC)

基準値

男性  430~570×104/μL

女性  380~500×104/μL


解説

● 赤血球数は、血液中の赤血球の数を測定し、貧血や多血症の診断に用いられる一般的な検査です。貧血で低値になり、多血症で高値になります。

赤血球数は、性別、年齢、採血部位、測定法などで検査結果に差が出ることがあります。一般に男性は女性よりも高く、特に生殖年齢に達する女性では月経のため男性よりも低くなります。

加齢変化では、新生児において、約550万/μL程度の値を示し、その後徐々に減少して幼児期には成人並みの値となります。高齢者ではさらに低値となり、70歳以降は男女とも平均410万/μL程度の報告がありますが、個人差も大きいため注意が必要です。

高値のときに疑う疾患

脱水状態、二次性多血症、ストレス多血症、真性多血症 など

低値のときに疑う疾患

再生不良性貧血、腎性貧血、出血性貧血、鉄欠乏性貧血、鉄芽球性貧血、溶血性貧血、巨赤芽球性貧血、自己免疫性溶血性貧血、発作性夜間血色素尿症 など

低値のときに疑う疾患

Coffee break!

● 赤血球のはたらき

赤血球は、肺から取り込んだ酸素を全身の組織の細胞に酸素を届けます。細胞は酸素を使って身体に必要なエネルギーを生み出し、不要になった二酸化炭素を排出します。この時、赤血球は二酸化炭素を各組織から肺に持ち帰ります。


赤血球の内部の大部分はヘモグロビンというタンパク質で、ヘモグロビンはヘムとグロビンからできています。ヘムにはが結合しています。鉄分が少ないと貧血を起こすのは、ヘモグロビンに鉄が必要なためです。


赤血球は、ヘモグロビンに酸素が結びつくことによって各組織の細胞に酸素を運ぶことが出来ます。赤血球の酸素を運ぶ能力は、血液中のヘモグロビン濃度で決まってきます。ヘモグロビンの値は、酸素を運ぶ能力を示し、貧血の程度を反映しています。また、血液が赤いのは、赤血球のヘモグロビンが赤いためです。


細胞は酸素を使って身体に必要なエネルギーを生み出し、老廃物として二酸化炭素を出します。赤血球は各組織の細胞から二酸化炭素を肺に持ち帰ります。肺では、酸素を取り込んで、二酸化炭素を排出しています。

赤血球のはたらき

1μm(マイクロメートル)=0.001mm(ミリメートル)