骨は、身体を支え、保護し、運動を可能にする重要な役割を果たしています。
ところで、人間の身体にはどれくらいの骨があると思いますか?
あまり意識していないと思いますが、基本的に成人では206個もの骨があることが知られています。
骨の数は、年齢とともに変化します。
一般的に、小児の方が大人よりも骨の数が多いことが知られ、小児では約350個と言われています。成長する過程で、細かい骨が成長に伴い結合して大きな骨になっていきます。また、成人でも加齢に伴いいくつかの骨が結合するため、骨の個数に若干の違いが見られます。
では、実際に骨の数について見ていきましょう。
頭部は、頭蓋骨が14個の骨で、顔面骨が15個の骨で組み立てられています。頭部だけでも意外に多いですよね。
不思議かもしれませんが、例えば、頭蓋骨の中で耳の奥にある耳小骨は数ミリ程度の3個の骨から出来ており、左右で6個になります。このように頭部では複雑に骨が組み合わさっているため、頭部の骨は、頭蓋骨と顔面骨を合わせて29個になります。
体幹は、椎骨(背骨)が26個の骨で、肋骨が24個の骨で、そして、胸の前にある1個の胸骨と骨盤で出来ています。
意外に椎骨(背骨)は骨が多いですね。
椎骨(背骨)を頸部(首)から順に数えていくと、頸椎が7個、胸椎が12個、腰椎が5個、仙骨が1個、尾骨が1個あり、椎骨(背骨)だけで26個の骨から出来ています。興味深いことに頸部(首)の骨は、首の長いキリンや首の短い鯨も7個で出来ており、私たちと同じです。もちろん、犬も猫も一緒です。
肋骨は、片側が12個で、左右で24個になります。
骨盤は、成長するに伴い坐骨、腸骨、恥骨が一体となって寛骨を形成し、2個の寛骨と、先ほどの仙骨、尾骨で出来ています。
これらの結果より、体幹の骨は、椎骨、肋骨、胸骨と2個の寛骨を合わせて53個になります。
上肢は、鎖骨や肩甲骨から、上腕骨、橈骨、尺骨まで数えると、左右で10個です。比較的少なそうですが、これからが本番です。
手の骨の数がすごい!
手は複雑に動くことが可能です。そのため手の甲と指を構成している骨の数は、左右で54個になります。これらの骨が相互にはたらき、複雑な動きを可能にしています。
その結果、上肢の骨は、左右で合わせて64個になります。
下肢は、大腿骨、膝蓋骨、脛骨、腓骨まで数えると、左右で8個です。
そして、手と同様に足の骨の数もすごい!
足を構成している骨の数は、左右で52個になります。気が付いたかもしれませんが、手より2個少ないですね。
その結果、下肢の骨は、左右で合わせて60個になります。
以上のことから、成人の基本的な骨の数は、頭部が29個、体幹が53個、上肢が64個、下肢が60個で、全ての骨を合計すると206個になります。
私たちの身体は、このような多様性のある多くの骨によって複雑に組み立てられています。すごいですね。