空腸と回腸

空っぽの空腸とうねうねした回腸

人体の消化器官である小腸は、機能的に十二指腸空腸回腸の3つに分かれ、その中でも空腸と回腸は特に興味深い役割を果たしています。十二指腸の後の約5分の2が空腸であり、残りの約5分の3が回腸とされています。これらの区別はあるものの、明確な境界は存在しません。


まず、空腸はその名の通り、いつも空っぽであることからその名前がつけられました。この部分は発達した輪状ひだと長い絨毛を備えており、これによって食べ物の消化・吸収が促進されます。一方で、回腸は見た目にうねうねとした輪状ひだが特徴で、徐々に低くまばらになり、絨毛も低く少なくなります。その名前の由来は、この部分が外観的にうねり巻いていることにあります。


これらの特徴に基づいて、空腸と回腸はそれぞれ異なる役割を果たしています。空腸は強力な筋肉の収縮により、内容物を勢い良く押し出して先に進めることができます。このため、食べ物は迅速に通り過ぎ、いつも空っぽであると言われています。一方で、回腸はそのうねり巻いた構造を通じて、食べ物がじっくりと消化・吸収されるようになっています。このように小腸全体が効率的に機能することで、栄養素が体内に取り込まれ、健康を維持するために重要なエネルギー源となります。

小腸のイメージ