ピロリ菌の消化

ピロリ菌は、なぜ胃の中で消化されないの?

胃の粘膜は、かなり強力な酸である胃酸に覆われています。この酸の役割は、食べ物を分解するだけでなく、病原体や有害な微生物を殺菌する役割もあります。しかし、なぜ、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)はこの胃酸に耐え、胃の中で消化されないと思いますか?


それは、ピロリ菌がウレアーゼと呼ばれる特別な酵素を分泌して自分の周りにアルカリ性のアンモニアを作り出すことで、胃酸を中和しているからです。つまり、ピロリ菌は生存のために自分の周囲の胃酸を中和するための特殊なメカニズムを持っているのです。


そして、最近の研究により、ピロリ菌が胃の中に生息し、慢性胃炎胃潰瘍胃がん十二指腸潰瘍などの病気に深く関っていることが明らかにされてきました。感染するとピロリ菌が産生するアンモニアや毒素などによって胃の粘膜が炎症を起こし、この状態が長く続くことで、胃を中心に様々な障害が引き起こされると考えられています。


ピロリ菌を除菌すると、新しい胃がんの発生する確率を減らすことができる可能性があります。ピロリ菌に感染しているかどうかは、内視鏡での胃粘膜の観察や、尿素呼気試験、血液検査などで確認できます。

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)

胃とピロリ菌

胃とピロリ菌
胃とピロリ菌
胃とピロリ菌