高地のヘモグロビン

高地にすむとヘモグロビンが増加する?

ヘモグロビンは、酸素の取り込みや運搬に大切な働きをしています。

生活環境で見ると、空気の薄い高地に居住する住民や、長く高地に滞在した人のヘモグロビンは、標高の低い所にいる住民に比べ高くなる傾向があります。この現象は、高地の低酸素の環境への順応として考えられています。高地では酸素濃度が低く、酸素の取り込みが難しくなるため、体はこれに適応するためにヘモグロビンを増やし、酸素運搬の効率を高めようとします。


年齢では、新生児のヘモグロビンは高く、その後急速に低下し生後6カ月ごろで12.0g/dL前後となります。5歳位まではこの値で推移し、15歳位まで徐々に増加し、成人とほぼ同じ値になるとともに、男女差が生じるようになります。


性別では、男性のヘモグロビンは21~25歳くらいが最も高く、以後加齢とともに低下傾向がみられます。成人の女性では男性より低値を示し、年齢的差異よりも月経量や鉄分の摂取状態などの影響を受けやすく、高齢者では男女とも低値を示し基準値を下回るにも関わらず、年齢相応にみれば健康的な日常生活を送る人も多くいます。高齢になると体内の鉄分の吸収が低下し、それがヘモグロビンに影響を与えるためです。

女性は月経や妊娠・授乳により鉄分の需要が増え、このこともヘモグロビンに影響します。それぞれの健康状態や栄養摂取に注意することが健康管理に大切となります。

Coffee break!

ヘモグロビンは、赤血球に含まれる赤色素たんぱく質のことです。血液が赤い色をしているのはヘムが赤色素を持っているためです。

高色素性の赤血球

高色素性の赤血球

低色素性の赤血球

低色素性の赤血球