十二指腸は、指を12本横に並べたくらいの長さという意味で、日本初の西洋医学の翻訳書『解体新書』(1774年)に記載されています。しかし、実際の長さは25~30cmで、指12本分の幅よりもやや長い印象があります。
長さの単位として、古くから使用されているインチやフィートも興味深い起源を持っています。インチは男性の親指の幅に由来し、フィートは「足」の大きさから派生したと言われています。1インチは約2.5cmで、1フィートは12インチで約30cmとなります。
十二指腸は、指を12本横に並べた長さと比べると実際より短くなりますが、親指の幅で12インチとすると約30センチとなり実際の長さとあってきます。『解体新書』の翻訳の時に、意味を少し取り違えたかもしれませんね。
解剖学において、器官や組織に様々な名前が付けられています。その中には形状や長さに関連した名前もあり、十二指腸もその一例です。十二指腸は小腸の一部であり、胃から始まり、次に続く空腸(小腸)までの消化器官ですが、解剖学的な特徴や命名の由来を理解することで、私たちは身体の仕組みについて知識を深めることができます。