誤嚥性肺炎

右に多い、誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は、食べ物や飲み物が誤って気道に入り込むことによって引き起こされる肺炎です。興味深いことに、誤嚥性肺炎は右肺の下葉に比較的多く発生する傾向があります。その理由は、右の気管支の構造が左の気管支に比べて太く短く、角度が垂直に近いからです。


人間の気管支は左右に分かれて肺に続いています。右の気管支は左の気管支よりも太く短く、角度も垂直に近い構造をしています。この特徴により、食べ物や飲み物が誤って気管支に入り込む(誤嚥する)と、それが必然的に右の気管支に落ちやすくなります。


誤嚥性肺炎は、食べ物や飲み物が気管支に入り、細菌や異物による感染を引き起こすことで肺炎を引き起こします。右肺下葉は右の気管支に位置しており、誤嚥が起こった場合に食べ物や飲み物がここに入り込みやすく、そのため誤嚥性肺炎が右肺下葉に多く見られるのです。


誤嚥性肺炎は高齢者や嚥下障害を持つ人、意識障害のある人などにより発生しやすい傾向があります。つまり、正常な嚥下反射が働かない場合や食道の機能が低下している場合には、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。そのため、特に高リスクな人々に対しては、適切な嚥下管理や食事介助が重要となります。

気管支の構造

気管支の構造