私たちの身体は、呼吸によって酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出することで生命を維持しています。この重要な役割を果たす器官が肺です。肺は、酸素と二酸化炭素のガス交換を行うことで、私たちの血液に酸素を供給し不要な二酸化炭素を排出しています。
一分間の呼吸数は12回から18回で、これを24時間続けると、驚くべきことに一日の間に私たちは約2万回もの呼吸を行っています。一回の呼吸で換気される空気の容積は約400から500ミリリットルです。つまり、一日に8,000リットルから10,000リットルの空気を呼吸で取り入れていることになります。
あまりにも大きな数値のため実感がないと思いますが、例えば、8,000リットルから10,000リットルは、大型トラックの容積で数台分に相当します。その膨大な量の空気が私たちの肺を通り、酸素と二酸化炭素の交換に利用されています。
人間の身体は、心臓や肺などの臓器が互いに協力して驚くべき働きをしています。私たちが生命を維持するためには、心臓が血液を循環させ、肺で酸素と二酸化炭素を交換するという連携が必要不可欠なのです。
計算してみよう!
問題)
呼吸で換気する量は、1日にどのくらいですか?
答え)
1分間の呼吸数は12回から20回で、1回の換気量は、400mLから 500mLです。1日の呼吸数は、実に約2万回になります。
呼吸数 約15(12~20)回/分 x 60分 x 24 時間 = 21,600 回
そのため1日に呼吸で換気する空気の量は、
1回換気量400 mL x 1分間の呼吸数 約15回 x 60分 x 24時間
= 8,640,000(~10,800,000)mL(ミリリットル)
= 8,640(~10,800)L(リットル)
1日に呼吸で換気する量は、実に約1万リットルになります。
※1000mL(ミリリットル)=1L(リットル)
Coffee break!
医師から胸部のレントゲン写真の説明を受けるときに、左と右で不思議に思ったことはありませんか?
写真の右側を左肺、左側を右肺としていますが間違っていません。レントゲン検査を受ける方を基準に右と左を規定しているためです。
試しに、壁に背中をつけて右側に目印をおいてください。壁から離れて、目印を見ると壁の左側になります。
病院で、胸部のレントゲン写真を見る時も同様です。右が左肺で、左が右肺ですね。
Coffee break!
肺は、右肺と左肺に分かれ、さらに、右肺は上葉、中葉、下葉の3つに、左肺は上葉と下葉の2つに分かれています。
左右で同じにみえますが、右肺のほうが少し左肺より大きくできています。