片頭痛

片頭痛の特徴

頭痛は最も頻度の多い症状で、一般診療で多く聞かれる訴えのひとつです。その原因は多種多様で、慢性的な疾患から、くも膜下出血、髄膜炎、緑内障、脳腫瘍など緊急を要する疾患もあることからその診断には注意が必要です。そこで、今回は若い女性に多い“片頭痛”についてです。

片頭痛は、頭の片側または両側が脈打つようにズキンズキンと痛む病気です。月に1~2回や、週に1~2回の頻度で発作的に起こるのが特徴で、食欲低下、悪心(吐き気)、嘔吐を伴うことがあります。日本では多くの人が片頭痛に悩まされています。特に、女性は男性の3.6倍多いことが言われており、20代~40代の若い女性に多く見られます。

片頭痛は、痛みの起こる直前に“前兆を伴うタイプ”と、“伴わないタイプ”に分類されています。最も多い前兆は、閃輝暗点(せんきあんてん)とよばれる症状で、目の前で光がチカチカする、視野の一部に歯車のようなギザギザしたものが現れる、視界が欠けるなどがあります。通常は60分以内に前兆が終わり、引き続き頭痛が始まります。

片頭痛が起こるきっかけは、ストレスや寝不足、女性ホルモンの変化(月経周期)、天候や気圧の変化、空腹、肩こり、アルコールなど、実にさまざまです。

痛みの原因

片頭痛の原因は、まだ完全には解明されていません。何らかの理由で脳の血管が急激に拡張し、炎症を起こして痛みが発生すると考えられています。他には、脳そのものに原因があるという説や、脳血管や三叉神経に原因があるとする説などがあります。

  1. 脳に原因があるとする説
    脳に片頭痛を起こすポイントとなる部位があり、そこが刺激されると頭痛が起こるという説です。

  2. 三叉神経や血管に原因があるとする説
    三叉神経は、主に顔面や頭部の痛みなどの感覚に関与しています。何らかの刺激によって三叉神経が刺激されると、神経の先端から血管に作用する様々な痛みの物質が分泌されます。それらの働きで血管が拡張したり、炎症が発生して神経を刺激し、痛みが起こるという説です。

片頭痛の治療

まずは病院に行き相談してみてください。それから、ストレスが誘引であれば基本的にはストレスを避けることも心がけてください。仕事をやめる?まあ、それも手ですが家で一日中、ボーとしているよりは規則正しい生活をし、良く眠り、食事に気を付け、栄養をつけることも大切なことです。


自分でできる片頭痛の対処法としては、

  • 睡眠はしっかりとり、ストレスをためない。
    睡眠不足や慢性的なストレスは片頭痛発作の頻度が高くなります。

  • 頭痛を起こしやすい食物に気をつける。
    片頭痛は、脳の血管が広がって、神経が刺激されることで起こるため血管を拡張や収縮させたりする物質を含む食品は気をつける必要があります。ポリフェノールやチラミンを多く含む食品としては、赤ワインブルーベリーココアチョコレートかんきつ類チーズナッツ類などがあります。これらの食品は頭痛を誘発することがあり注意が必要です。

  • 痛くなったら、早めに暗い静かな部屋で身体を休める。
    色々な刺激があるほど片頭痛発作は起こりやすくなります。暗い静かな部屋で身体を休めることは大切です。

  • 適切に鎮痛薬を服用する。
    頭痛を緩和する働きがあり、痛みがひどくなる前に、早めに服用するのも一つの方法です。ただ、鎮痛薬の飲み過ぎはかえって頭痛を悪化させ、新たな頭痛を引き起こす場合があるため、必ず、頭痛の専門医を受診してください。

  • カフェインが入った飲み物を飲む。
    カフェインにより一時的に頭痛が和らぐことがあります。しかし、不眠や依存症に陥るケースがあるので、飲みすぎには注意が必要です。