血液型

赤血球の表面

自分の血液型はご存知ですか?

血液型には、A型、B型、AB型、O型の4種類があります。これは医学的にいえば、赤血球の膜の表面に発現している蛋白質(抗原)により分類したものです。少し図を見ながら考えてみましょう。

A型の人は赤血球の表面に、“A抗原”という物質を持っています。このため、“A抗原”のみを持っている人はA型とよばれます。同じように、B型の人の赤血球には“B抗原”があります。AB型の人の赤血球には“A抗原”と“B抗原”の両方があるため、このように呼ばれてます。一方、O型の人の赤血球にはそのどちらの抗原もありません。そのため抗原がない、すなわち0(ゼロ)からO型とよばれます。

抗原と抗体

さらに、血液中には赤血球の表面にある抗原と反応しない種類の抗体を持っています。たとえば、A型の人はA抗原と反応しない抗B抗体をもっています。逆に、B型の人はB抗原と反応しない抗A抗体をもっています。O型の人は抗原をもちませんが両方の抗体をもちます。一方、AB型の人は両方の抗原をもちますが抗体はもっていません。

ABO式血液型における抗原と抗体の組み合わせ

A型 : 赤血球にA抗原、血清中に抗B抗体をもつ。

B型 : 赤血球にB抗原、血清中に抗A抗体をもつ。

AB型: 赤血球にA, B両方の抗原をもち、血清中にはどちらの抗体ももたない。

O型 : 赤血球にA, Bどちらの抗原もなく、血清中に抗A抗体、抗B抗体をもつ。

血液型

血液型

血液型と性格

血液型と性格や相性はあまり関連性がないように思うのですが、おそらく育った環境により、小さい頃から

「あなたはB型だから」

「あなたはA型だから」

とか言われてきたことが無意識のうちに成長の過程ですりこまれてきたと考えられます。外国人が日本に住むようになると、急に血液型が気になるみたいです。ちょっとした日本独自の文化かも知れませんね。

自分の血液型は、当然のこと。友達や恋人はもとより芸能人の血液型も必要事項です。テレビ番組で血液型に関連したクイズもあります。でも、性格やしぐさ、ものごとに対する反応から、なんとなく血液型がわかってくるから、すごい!

本人を取り巻く環境因子が影響していると思いますが、ちょっとおもしろいですね。血液型により性格が決まってくるうえに、他の人との相性まで変わってくるなんて。

参考までに、以前に働いていた病棟は、白衣の天使が21名。そして大半の看護師が“B型”でした。実に、印象深い病棟でした。全くの偶然にすぎませんが、ネットで“看護師”と“B型”を掛け合わせると、何か出てくるかもしれません。

血液型が変わる?

血液型は、基本的には生涯変わることはありません。しかし、白血病などの骨髄移植の時に、ドナーから“骨髄”を受けることによって血液型が変わる場合があります。 骨髄移植により生まれながらの血液型から、ドナーの血液型に変わります。

また、赤ちゃんの時に血液型検査を行う場合、赤血球の抗原反応が弱いことがあり、まれに血液型を間違えることがあります。そのため、赤ちゃんの血液型検査は信頼性に乏しく、輸血や手術など必要な場合以外は基本的に血液型の検査は行いません。

知りたい気持ちもわかりますが、寝顔でもみながらせめて学童期を過ぎるころまでは待ってください。赤ちゃんとの相性は大丈夫です。むしろ、あまり気にしないことが大切です。

異型輸血(異なる血液型の輸血)

異型輸血(異なる血液型の輸血)

緊急時には、O型の赤血球をA型の人に輸血することは可能です。

O型の赤血球は表面に抗原を待たないため、抗体は攻撃しません。

しかし、B型の赤血球をA型の人に輸血した場合、体内の抗体(抗B抗体)がB型の赤血球を攻撃してしまいます。

血液型の適合性(緊急時)

血液型の適合性(緊急時)

緊急時、O型の赤血球は、A型、B型、AB型、もちろんO型の人に輸血することができますが、AB型の赤血球は、AB型の人にしか輸血することができません。