赤血球

どれだけの血液があるか、ご存じですか?

私たちの体内には、体重の約13分の1(約8%)に相当する量の血液があります。例えば、体重65kgの成人男性の血液量は約5リットル(牛乳瓶で約28本分)になります。血液は、血球と血漿から構成され、血球には、赤血球、白血球、血小板などが含まれています。

今回は、この中の赤血球について勉強してみましょう。

赤血球の誕生

赤血球は、骨髄で造られています。骨髄の中には、血液の元になる造血幹細胞があり、ここから赤血球の“赤ちゃん”が生まれてくるのです。幼い赤血球は、徐々に成長しながら少しずつ形を変えてゆき、やがて骨髄から全身の血管へと流れてゆきます。

赤血球の機能

赤血球の主な機能は肺で取り入れた酸素を全身の組織に送り、組織から炭酸ガスを肺に戻すことです。このとき重要なのが、赤血球の中のヘモグロビンです。健康診断の項目にもよくありますね。ヘモグロビンは赤血球が成熟する過程で合成され、肺で取り入れた酸素を運搬する機能があります。つまり、赤血球の中で、酸素と結びつく大切なところなのです。また、血液が赤いのは、このヘモグロビンが赤いためです。

ヘモグロビンは、酸素とくっついている時は鮮やかな赤色にみえ、酸素が少なるんるにつれて色が黒みがかっていきます。

赤血球

赤血球

赤血球の形態

成熟した赤血球は扁平で、両面の中央部がくぼんだ円盤状をしています。大きさは直径が約8マイクロで、約100分の1ミリです。赤血球が酸素を全身の組織に運搬するためには、毛細血管を自由に通過できるような“柔らかさ”が重要であり、丸い円盤状の形をしているため変形しやすく、自分のサイズよりも細い毛細血管の中を流れてゆくことが出来るのです。

赤血球の最後

個々の赤血球の寿命は短く、約120日です。全身をめぐり、最後に脾臓に流れ込んだ赤血球は、この中にあるマクロファージという細胞で処理され一生を終えます。

でも、安心してください。骨髄で、日々、新しい赤血球が生み出され、体内は常に一定のバランスが保たれています。

貧血

赤血球に関連した病気に、“貧血”があります。原因としては、鉄分の不足による“鉄欠乏性貧血”から、骨髄の造血機能障害による“急性白血病” また、赤血球の構造の障害よる“遺伝性球状赤血球症”、赤血球が壊れてしまう“溶血性貧血”など様々です。

健康診断や人間ドックで貧血や血液の異常を言われた時には、必ず掛かりつけ医か近くの病院を受診してみてください。大切なことですよ。