膵臓

解説

● 膵臓は、膵液を分泌し食べ物の消化をおこない、有害な物質の解毒や、胆汁の合成と分泌をする働きがあります。また、インスリンを分泌し、血糖の調整を行います。

膵臓は、食べ物を消化する膵液を分泌します。膵液の消化酵素は強力で、炭水化物、蛋白質、脂肪を分解します。

また、膵液は、炭酸水素ナトリウムを含む弱アルカリ性(pH約8)であるため、十二指腸に分泌して胃から送られてきた酸性の強い内容物を中和します。

膵臓は、ベータ(β)細胞からインスリンを分泌し、アルファ(α)細胞からグルカゴンを分泌します。インスリンは、血糖値を下げる作用があり、グルカゴンは血糖値を上げる作用があります。これらのホルモンは、血糖値を一定濃度にする働きがあります。

膵臓のイメージ

もっと詳しく!

膵臓は、膵液を分泌し食べ物の消化や、有害な物質の解毒や、胆汁の合成と分泌、また、血糖の調整を行うなど、私たちの体内で重要な役割を果たしています。膵臓の主な働きについて説明します。


膵臓は、食べ物の消化と血糖調節のために重要な役割を果たします。まず、膵臓は消化酵素を含む膵液を分泌します。膵液には、蛋白質を分解するトリプシン、炭水化物を分解するアミラーゼ、脂肪を分解するリパーゼなどの消化酵素が含まれています。これらの消化酵素は、膵管を通じて小腸に分泌され、食べ物の消化を助けます。


また、膵液はアルカリ性を持っており、胃から送られてくる酸性の内容物を中和します。胃から十二指腸へ移行する際に、膵液が分泌されることで酸性を中和し、消化過程を適切に進める役割を果たします。


さらに、膵臓はインスリングルカゴンという2つの重要なホルモンを分泌します。インスリンは、血糖値を下げる作用を持ち、細胞内へのブドウ糖の取り込みを促進します。これにより、血糖値を一定範囲に保つことができます。一方、グルカゴンは、血糖値を上げる作用を持ち、肝臓からのブドウ糖の放出を促進します。インスリンとグルカゴンは、相互に作用することで血糖値の調節を行い、エネルギー代謝のバランスを維持します。


膵臓は、消化酵素の分泌、胃液の中和、血糖調節といった複数の重要な機能を持っています。これらの働きは、私たちの健康と正常な生理機能に欠かせないものです。バランスの取れた食事や健康的な生活習慣は、膵臓の健康と正常な機能を維持するために重要です。

膵臓の構造

膵臓の構造

Coffee break!

● 膵臓に関連した血液検査の項目

膵臓に関連した血液検査の項目
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Coffee break!

● 膵臓は、なぜ、自分の膵臓を消化しないのですか?

膵液の消化酵素は強力で、炭水化物、蛋白質、脂肪を分解しますが、自分の膵臓は消化しません。膵臓が消化されないのは、アミラーゼとリパーゼ以外の消化酵素が、十二指腸に分泌されるまで不活化の状態(消化しない状態)にあるからです。

膵臓内のトリプシノーゲンやプロエラスターゼは、膵液として十二指腸に分泌されて初めて強力な消化酵素(トリプシンやエラスターゼ)として働くことが出来るのです。すごい仕組みですね。

膵臓は、なぜ、自分の膵臓を消化しないのですか?