尿中潜血反応

基準値

(-;陰性)

解説

● 尿中潜血反応は、尿中への血液の混入を判定する検査です。尿路系の炎症、結石、腫瘍や糸球体腎炎などで陽性になります。

尿中に赤血球が多量に認められる場合を「血尿」といい、血色素(ヘモグロビン)が認められるものを「血色素尿」と言います。肉眼で明らかに赤~赤褐色尿が認められることを「肉眼的血尿」といい、肉眼的には認められず潜血反応によって検出される場合を「顕微鏡的血尿」と言って区別しています。


尿沈渣で毎視野に赤血球5個以上の血尿を認めるにも関わらず、試験紙法(定性)で陰性の場合には、ビタミンCなどによる偽陰性か、赤血球の膜異常、試験紙の劣化などを考慮し、逆に赤血球を認めないにも関わらず陽性の場合は、筋の挫傷や激しい運動後のミオグロビン尿も考慮する必要があります。


尿潜血は、慢性腎炎や泌尿器系腫瘍・結石・溶血性疾患のスクリーニング検査として広く用いられています。

陽性のときに疑う疾患

血尿をきたす疾患

尿路の炎症(急性腎炎・慢性腎炎・腎結核・腎梗塞・腎盂炎・膀胱炎・尿道炎・前立腺炎等)、結石、腫瘍(腎癌・乳頭腫・副腎癌など)。出血性素因(白血病・紫斑病・血友病など)、フィラリア症、特発性腎出血、無症候性腎出血、性器出血の混入 など