ナトリウム(Na)

基準値

137~147 mEq/L

解説

● ナトリウムは、人体に必要な電解質(イオン)の一種で、身体の水分や浸透圧を調節し正常に保つためのミネラルです。細胞外液に多く含まれています。

ナトリウムは、人体に必要なミネラルの一種で、主として食塩(塩化ナトリウム)の形で摂取されています。主に細胞の外の体液(細胞外液)に含まれています。細胞外液の水分や浸透圧を調節して、細胞外液量を保つなどの役割があります。

高値のときに疑う疾患

脱水、下痢、嘔吐、発汗、本態性高ナトリウム血症、中枢性・腎性尿崩症、ミネラルコルチコイドまたはグルココルチコイド過剰症、高張食塩水負荷時 など

低値のときに疑う疾患

腎不全、心不全、ネフローゼ症候、Addison病、ナトリウム喪失性腎症、ADH分泌異常症候群(SIADH)、甲状腺機能低下症 など

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● 低ナトリウム血症と高ナトリウム血症の原因

低ナトリウム血症がみられた場合

  • 細胞外液量の減少を伴う低ナトリウム血症
    ナトリウムの摂取不足かナトリウムの喪失が水の喪失を上回る場合(高度の発汗、腹水など)
  • 細胞外液量の増加を伴う低ナトリウム血症
    体内ナトリウム量の増加を上回る水の貯留によるもので浮腫を伴う。
  • 細胞外液量の変化しない低ナトリウム血症
    体内ナトリウムの増減はなく水の貯留によっておこり浮腫を認めないもの。

高ナトリウム血症がみられた場合

ナトリウム過剰摂取、もしくは水の欠乏によっておこるほか、視床下部の器質的な病変により浸透圧調節系が障害される本態性高Na血症も存在する。