平均赤血球容積(MCV)

基準値

85~102 fL(フェムトリットル)

平均赤血球血色素量(MCH)

基準値

28.0~34.0 pg(ピコグラム)

平均赤血球血色素濃度(MCHC)

基準値

30.2~35.1%(パーセント)

解説

● 平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球血色素量(MCH)、平均赤血球血色素濃度(MCHC)は、それぞれ、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Ht)、赤血球数(RBC)の検査値をもとに算出します。貧血の診断に用いられる一般的な指標になります。

Hb(ヘモグロビン)、Ht(ヘマトクリット)、赤血球数の検査値をもとに、赤血球1個当たりの平均容積(MCV)平均血色素量(MCH)平均赤血球血色素濃度(MCHC)の値を算出し貧血を分類します。


MCVは、赤血球1個当たりの、平均的な大きさを表しています。

MCHは、赤血球1個当たりの、平均的なヘモグロビン量を表しています。

MCHCは、赤血球1個当たりの、平均的なヘモグロビン濃度を表しています。

Coffee break!

● MCV、MCH、MCHCの計算式

MCVの計算式
MCV = Ht(%)÷  RBC(106/μL)x 10
    (基準値:85~102 fL)(フェムトリットル)


MCHの計算式
MCH= Hb(g/dL)÷ RBC(106/μL)x 10
    (基準値:28.0~34.0 pg)(ピコグラム)


MCHCの計算式
MCHC= Hb(g/dL)÷ Ht(%)×100
      (基準値:30.2~35.1%)(パーセント)

結果の評価

  • MCV低値、MCH低値、MCHC低値であれば、小球性・低色素性貧血
  • MCV高値、MCH高値であれば、大球性・高色素性貧血
  • MCV、MCH、MCHCのいずれも正常値であれば、正球性・正色素性貧血

計算してみよう!

問題)患者さんは、20歳の女性です。

人間ドックで、貧血を指摘されました。他に血清鉄(Fe)も低値でした。

MCV、MCH、MCHCは、いくつですか?


赤血球数(RBC) 450(104/μL)

ヘモグロビン(Hb) 10(g/dL)

ヘマトクリット(Ht) 35(%)


答え)はじめに、MCV、MCH、MCHCを計算するときには、赤血球数(RBC)の単位に注意してください!施設により単位が異なることがあります。

450(104/μL)= 4.5(106/ μL )= 450(104/mm3)


MCV = Ht(%)÷ RBC(106/μL)x 10

= 35(%)÷ 4.5(106/μL)x 10 = 77.8(fl)

MCH = Hb(g/dL)÷ RBC(106/μL)x 10

= 10(g/dL)÷ 4.5(106/μL)×10 = 22.2(pg)

MCHC = Hb(g/dL)÷ Ht(%) x 100

= 10(g/dL)÷ 35(%) ×100 = 28.6(%)


MCV低値、MCH低値、MCHC低値より、Kさんは小球性低色素性貧血ですね。

鉄欠乏性貧血が疑われます。

若い女性でよくみられますが、医師に相談して二次検査を受けてください。