解説

● 肺は、酸素と二酸化炭素のガス交換をする働きがあります。血液に空気中の酸素を取り込み、不要な二酸化炭素を排出します。

肺は呼吸器系で重要な役割を果たし、酸素と二酸化炭素のガス交換を担当します。左右に2つあり、吸気時には膨張し、呼気時には収縮します。

呼吸数は、1分間に12回から20回で、一回の呼吸で取り込む空気(一回換気量)は400から500ミリリットルです。一日の呼吸数は約2万回で、呼吸で換気する空気の量は、驚くことに一日で約1万リットルになります。

肺は微細な気体交換部である肺胞を通じて、血液中の赤血球に酸素を取り込み、同時に二酸化炭素を排出します。

肺のイメージ

もっと詳しく!

は、私たちの呼吸器系において重要な役割を果たしており、酸素と二酸化炭素のガス交換を行います。そのため、私たちは肺を通じて酸素を取り込み、不要な二酸化炭素を排出することで生命活動を維持しています。肺の主な働きについて説明します


肺は左右に2つあり、胸腔内に位置しています。吸気時には肺が膨張し、呼気時には収縮します。このような膨張と収縮によって、肺は呼吸に必要な酸素を体内に取り入れると同時に、新陳代謝で発生した二酸化炭素を排出します。


呼吸数は一分間に12回から20回程度であり、一回の呼吸で取り込む空気の量を一回換気量と呼びます。一回換気量は通常400から500ミリリットルです。したがって、一日の呼吸数を約2万回と仮定すると、一日に換気される空気の総量は驚くべきことに約1万リットルにもなります。


肺は空気中の酸素を吸収し、酸素を血液に取り込むために非常に効率的な表面積を持っています。肺胞と呼ばれる微小な気体交換部が数億個存在し、それぞれの肺胞は非常に薄い肺胞壁を介して周囲の毛細血管と接触しています。この肺胞壁と毛細血管の壁の間を通じて、酸素が血液中の赤血球に取り込まれ、同時に二酸化炭素が血液から肺へ放出されるのです。


肺は私たちの生命活動に欠かせない器官であり、正常な呼吸を維持することは健康的な生活に不可欠です。喫煙や大気中の汚染物質などの環境要因、肺疾患などが肺の機能を妨げる可能性があります。したがって、肺の健康を保つためには、禁煙や適切な換気、清潔な環境の維持、定期的な運動などの健康的な生活習慣が重要です。定期的な健康診断や肺の検査も肺の健康管理には欠かせません。私たちの肺は、酸素と二酸化炭素のガス交換を通じて私たちの生命を支えています。


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右肺と左肺

肺は、右肺左肺に分かれ、さらに、右肺は上葉、中葉、下葉の3つに、左肺は上葉と下葉の2つに分かれています。

左右で同じにみえますが、右肺のほうが少し左肺より大きくできています。

右肺と左肺

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 一日の呼吸数は、約2万回!

1分間の呼吸数は12回から20回で、1回の換気量は、400から500mLです。

1日の呼吸数は、

呼吸数 約15(12~20)回/分 x 60分 x 24時間 = 21,600回

実に約2万回になります。


1日に呼吸で換気する空気の量は、

1回の換気量450(400~500)mL x 1分間の呼吸数 約15回x 60分 x 24時間

= 9,720,000mL(ミリリットル)

= 約10L(リットル)呼吸で換気する量は、1日に約1万リットルになます。


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 右が左肺で、左が右肺

医師から胸部のレントゲン写真の説明を受けるときに、左と右で不思議に思ったことはありませんか?

写真の右側を左肺、左側を右肺としていますが間違っていません。レントゲン検査を受ける方を基準に右と左を規定しているためです。

試しに、壁に背中をつけて右側に目印をおいてください。壁から離れて、目印を見ると壁の左側になります。

病院で、胸部のレントゲン写真を見る時も同様です。右が左肺で、左が右肺ですね。


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 気管支の構造

気管は喉頭(のど)から肺まで続く空気の通る細長い管です。気管は左右の肺に枝分かれし、気管支と呼びます。さらに細かく分岐(細気管支)が進み、その先端に肺胞があります。肺胞は約3億個存在し、肺胞を広げた総表面積の総計は約70㎡で、たたみ約40枚になります。

気管支の構造

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 肺胞におけるガス交換

毛細血管を流れる赤血球は、肺胞との間で酸素二酸化炭素のガス交換をしています。

肺胞内に放出された二酸化炭素は、呼気として体外に排出されます。

一方、吸気として取り込まれた酸素は、赤血球のヘモグロビンと結びついて、全身に運ばれてゆきます。

肺胞におけるガス交換

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 誤嚥性肺炎

食べ物を飲み込むときに、食道ではなく誤って気管に入ってしまうことを誤嚥といいます。通常はむせて気管から排出する反射機能が働きますが、この機能が鈍ってしまうと、気管に入り込んでしまった食べ物を排出できず、結果として肺炎を起こすことがあります。誤嚥性肺炎といいます。

誤嚥性肺炎は、口の中の細菌が唾液や食べ物と一緒に誤嚥され、気管支や肺に入ることで生じる肺炎です。

誤嚥性肺炎