肝臓

解説

● 肝臓は、ブドウ糖などの栄養の蓄積、分解、合成をおこない、必要な時に分泌します。また、有害な物質の解毒や、胆汁の合成と分泌をする働きがあります。

肝臓は、重さが約1,300から1,500gもある最大の臓器で、静かな働きものです。

肝臓の主な働きは、ブドウ糖をグリコーゲンにかえて蓄え、必要な時はブドウ糖に戻すなど、栄養分やビタミンなどの分解と合成を行っています。

身体に有害となる物質やアルコールやなどの解毒と分解を行っています。

古くなった赤血球や老廃物などを処理して、食べ物の消化に必要な胆汁の合成と分泌を行っています。

肝臓のイメージ

もっと詳しく!

肝臓は、ブドウ糖などの栄養の蓄積、分解、合成をおこない、必要な時に分泌し、また、有害な物質の解毒や胆汁の合成と分泌をするなど、私たちの体内でさまざまな重要な機能を果たしています。肝臓の主な働きについて説明します。


a)栄養の蓄積、分解、合成

肝臓は、ブドウ糖や他の栄養分を蓄積し、必要な時に分解してエネルギー源として利用します。ブドウ糖をグリコーゲンとして貯蔵し、血糖値を調節することも重要な役割です。また、肝臓はビタミンやミネラルの代謝や合成も行い、体内で必要な物質を生成します。


b)有害物質の解毒

肝臓は、体内に取り込まれた有害な物質や薬物を分解・解毒する役割を果たします。アルコールや薬物、代謝産物など、さまざまな毒素を処理し、無害な物質に変換して体外へ排泄します。この解毒機能は、体内の毒性物質を取り除き、健康を保つ上で非常に重要です。


c)胆汁の合成と分泌

肝臓は、胆汁を合成し、胆管を通じて十二指腸へ分泌します。胆汁には消化を助ける胆汁酸やコレステロールなどが含まれており、脂質の消化・吸収に重要な役割を果たします。また、肝臓は古くなった赤血球や老廃物を処理し、胆汁に排泄することで体内から排出します。


肝臓は、私たちの健康と生命活動に不可欠な臓器です。栄養の代謝や解毒、胆汁の合成と分泌など、さまざまな働きを通じて体内の調和を保ちます。肝臓の正常な機能は、バランスの取れた食事や健康な生活習慣と密接に関連しており、私たちの体全体の健康に大きな影響を与える重要な器官です。

肝臓の構造

肝臓の構造

Coffee break!

● ヒトの内臓の中で最も重い臓器は、何ですか?

内臓の中で最も重い臓器は、肝臓です。

肝臓は、男性と女性で大きさ・重さに多少の違いはありますが、他に比べ最も重い臓器です。男性は約1,500g女性は約1,000gになります。

しかし、器官全体でみた場合、皮膚の体表面積は1.6平方メートルで、たたみ1畳分になり、重さは約9kgです。また、体格により異なりますが、骨の総重量は体重の約15%で約10kgです。

ところで、体脂肪はどれくらいあると思いますか?

最近では、体脂肪率を測定できる優秀な体重計があります。例えば、体重70kgで、体脂肪率が25パーセントの場合、体脂肪は?

残念ながら、17.5kgです。10キロの米袋よりはるかに重いですね。

臓器の重さ

各臓器重さ(g)
約1,500g
肝臓約1,500g
心臓約300g
右 約500g

左 約450g
腎臓
左右 約160g
脾臓約145g
膵臓約100g

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● 肝臓に関連した血液検査の項目

肝臓に関連した血液検査の項目
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