LDL-コレステロール(LDL-Cho)

基準値

65~139 mg/dL

解説

● LDL-コレステロールは、LDLというリポ蛋白粒子に含まれるコレステロールです。一般に『悪玉コレステロール』と呼ばれ、高い場合は動脈硬化性疾患の危険因子になります。

血液中のコレステロールは、たんぱく質と結合してリポ蛋白として存在しています。リポ蛋白は、粒子の大きさ、比重の違いによりHDL(高密度リポタンパク)LDL(低密度リポタンパク)に分けられます。

このLDLとHDL2つのリポ蛋白はコレステロールを運ぶことに関してはまったく逆の働きをしており、HDLが体の隅々の血管壁からコレステロールを抜き取って肝臓に運び、LDLは肝臓からコレステロールを全身の細胞に運びます。


HDLによって運ばれているコレステロールを『HDL-コレステロール』、LDLによって運ばれているコレステロールを『LDL-コレステロール』と呼びます。

LDL-コレステロールは、動脈硬化を促進する作用を有し、またLDL-コレステロール量が高くなると冠動脈硬化性心疾患の発症が高くなるなどLDL-コレステロール量と冠動脈硬化性心疾患の発症率とは正の相関があるので、一般に『悪玉コレステロール』と呼ばれています。


なお、本項目の正常範囲は、日本動脈硬化学会の提案によると、冠動脈や喫煙、肥満等の危険因子の有無により異なった設定が行われています。

危険因子のない健常人の場合は140mg/dL未満が推奨されています。

高値のときに疑う疾患

家族性高コレステロール血症、特発性高コレステロール血症、高LDL血症 など

将来における動脈硬化性疾患の危険因子となる(脳梗塞、心筋梗塞、肺梗塞など)。

低値のときに疑う疾患

無リポ蛋白血症、低リポ蛋白血症、低LDL血症 など

Coffee break!

● 善玉コレステロールと悪玉コレステロール

血液中のコレステロールには、HDLコレステロールLDLコレステロールの2種類があり、前者を「善玉コレステロール」、後者を「悪玉コレステロール」と呼んでいます。名前はよく似ていますが、「善玉」と「悪玉」で、働きはまったく逆です。


aHDLコレステロール(善玉)

  体の隅々の血管壁からコレステロールを抜き取って肝臓に運びます。

bLDLコレステロール(悪玉)

  肝臓から体の隅々の血管壁にコレステロールを運びます。

Coffee break!

● HDLコレステロールとLDLコレステロール

血液中のコレステロールには、HDLコレステロールLDLコレステロールの2種類があり、前者を善玉コレステロール、後者を悪玉コレステロールと呼んでいます。

HDLコレステロールとLDLコレステロール