LDH(LD) 乳酸脱水素酵素

基準値

124~222 U/L

解説

● LDHは、ほとんどの組織や臓器に分布する酵素で、貧血、炎症、腫瘍など一般的なスクリーニング検査として用いられます。

LDHは、肝臓赤血球筋肉などに分布し、これらの臓器が損傷を受けると細胞からLDHが分泌され血中濃度が上昇します。

通常は、スクリーニングとしてLDHの総活性を測定し、異常値をみた場合にLDHアイソザイム(LDHの分画)を測定し損傷した臓器を推定します。

高値のときに疑う疾患

溶血性貧血、悪性貧血、心筋梗塞、白血病、悪性腫瘍、急性肝炎、感染症 など

低値のときに疑う疾患

LDHサブユニット欠損症、抗腫瘍剤や免疫抑制剤の投与 など

もっと詳しく!

LDHアイソザイムは5種類あり、それぞれに臓器特異性があります。

全てのアイソザイムが一度に認められるわけではなく、1~5種類のアイソザイムが病態に応じて増加します。

a)LDHアイソザイム1,2型

  急性心筋梗塞、悪性貧血、溶血性貧血、PNHなどで上昇します。

bLDHアイソザイム2,3型

  進行性筋ジストロフィー、白血病、悪性リンパ腫、胃癌などで上昇します。

cLDHアイソザイム5型

  急性肝炎、慢性肝炎活動期、卵巣癌、原発性肝癌などで上昇します。