男性 13.5~17.5 g/dL
女性 11.5~15.0 g/dL
● ヘモグロビンは、血液中の血色素であるヘモグロビン量を測定し、貧血や多血症の診断に用いられる一般的な検査です。貧血で低値になり、多血症で高値になります。
ヘモグロビン(Hb)は、赤血球中の赤い色素蛋白、ヘモグロビンの血中濃度を意味し、赤血球数、ヘマトクリットなどの値とともに貧血のタイプと重症度の診断に用いられます。
ヘモグロビン量には個人差があり、一日のうちでも時間的に軽い変動が見られます。
一般に、朝食後に高く、夜間睡眠中は低くなる傾向があります。また、ストレスによる多血症などの生活環境、月経で低値となる性差、高齢者で低くなる加齢などの生理的影響がみられます。
真性多血症、二次性多血症、良性多血症、ストレス多血症、高地居住者、脱水 など
鉄欠乏性貧血、無トランスフェリン血症、鉄芽球性貧血 など
再生不良性貧血、発作性血色素尿症、溶血性貧血 など
(巨赤芽球性)葉酸欠乏症、悪性貧血、ビタミンB12欠乏症 など
(非巨赤芽球性)肝障害 など
Coffee break!
生活環境で、ヘモグロビン量は変わります。例えば、空気の薄い高地に居住する住民や長く高地に滞在した人は、標高の低い所にいる住民に比べ少ない酸素を少しでも多く取り込むためヘモグロビン量は高くなる傾向があります。
年齢では、新生児は高く、その後急速に低下し生後6カ月ごろで12.0g/dL前後となります。5歳位まではこの値で推移し、15歳位まで徐々に増加し、成人とほぼ同じ値になるとともに、男女差が生じるようになります。
男子は21~25歳くらいが最も高く、以後加齢とともに低下傾向がみられます。成年女子では男子より低値を示し、年齢的差異よりも月経量や鉄分の摂取状態などの影響を受けやすく、高齢者では男女とも低値を示し基準値を下回るにも関わらず、年齢相応にみれば健康的な日常生活を送る人も多くみられます。
Coffee break!
ヘモグロビンは、赤血球に含まれる赤色素たんぱく質のことです。血液が赤い色をしているのはヘムが赤色素を持っているためです。
高色素性の赤血球
低色素性の赤血球
Coffee break!
赤血球の寿命は約120日です。
血液は、体重の約8%または約13分の1で、体重が60kgの人の血液は、約5リットルになります。
60kg×0.08=4.8kg =約5リットル
そこで、赤血球が120日で壊れるため、
5000mL÷120=42mL
私たちの身体の中で、毎日、約40mLの血液が壊され、そして、新たに約40mLの血液が造られています。