HDL-コレステロール(HDL-Cho)

基準値

男性 40~85 mg/dL

女性 40~95 mg/dL

解説

● HDL-コレステロールは、HDLというリポ蛋白の粒子に含まれるコレステロールです。一般に『善玉コレステロール』と呼ばれ、低い場合は動脈硬化性疾患の危険因子になります。

血中のコレステロールは、タンパク質と結合してリポ蛋白として存在しています。

リポ蛋白は、粒子の大きさ、比重の違いによりHDL(高密度リポタンパク)とLDL(低密度リポタンパク)に分けられます。

このLDLとHDL2つのリポ蛋白はコレステロールを運ぶことに関してはまったく逆の働きをしており、HDLが体の隅々の血管壁からコレステロールを抜き取って肝臓に運び、LDLは肝臓からコレステロールを全身の細胞に運びます。


HDLによって運ばれているコレステロールを『HDL-コレステロール』、LDLによって運ばれているコレステロールを『LDL-コレステロール』と呼びます。

HDL-コレステロールは、動脈硬化を抑制する作用を有し、またHDL-コレステロール量が低くなると冠動脈硬化性心疾患の発症が高くなるなどHDL-コレステロール量と冠動脈硬化性心疾患の発症率とは負の相関があるので、一般に『善玉コレステロール』と呼ばれています。特に、LDL-コレステロールが高値でHDL-コレステロールが低値の場合は、心筋梗塞脳梗塞肺梗塞など動脈硬化性疾患のリスクが高いといわれています。

高値のときに疑う疾患

家族性高αリポ蛋白血症、原発性胆汁性肝硬変症、コレステリルエステル転送蛋白(CETP)欠損症 など

低値のときに疑う疾患

アポA-Ⅰ欠損症、アポC-Ⅱ欠損症、慢性腎不全、糖尿病、甲状腺機能異常、タンジール病、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ欠損症 など