HCV抗体

基準値

(-;陰性)

解説

● HCV抗体は、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染した場合に体内でつくられる抗体です。感染後、早期に陽性となり、陽性であった場合はC型肝炎ウイルスに現在または過去に感染したことを意味します。

ウイルス(抗原)が体内に侵入したとき、これを攻撃する物質(抗体)が人の体内でつくられます。この抗原や抗体を「ウイルスマーカー」といいます。

C型肝炎におけるウイルスマーカーは、C型肝炎ウイルス(HCV)における抗原と、それに対する抗体を血液検査によって調べ、C型肝炎の感染や治療経過を判断するのに用いられます。


HCV抗体は、C型肝炎ウイルス(HCV)に対する抗体を検出する検査です。ウイルスに感染しているのか、C型肝炎を発症しているのか、という診断をするうえで最も重要な検査です。

陽性のときに疑う疾患

C型肝炎ウイルス感染症

(過去に感染していた場合も陽性となります)

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● HCV抗体陽性とC型肝炎

HCV抗体はC型肝炎ウイルスの感染が過去のものであり、すでに感染していなくてもHCV抗体が存在し続けることがあり、感染力がなくても抗体検査では陽性になることがあります。

このように肝機能が正常にもかかわらずHCV抗体が陽性であった場合には、本来ならば、PCR法でより厳密にウイルスの抗原を調べることが望ましいのですが、比較的簡単な方法として「HCVコア抗原」という抗原物質を調べることで現在の感染を確認することもできます。