HBs抗原

基準値

(-;陰性)

解説

● HBs抗原は、B型肝炎ウイルス(HBV)の表面にある抗原です。HBs抗原が高値(陽性)の場合は、B型肝炎ウイルスに感染していることを意味しています。一方、HBs抗体が陽性であった場合は、過去にウイルスに感染した経験があることを意味しています。

ウイルス(抗原)が体内に侵入したとき、これを攻撃する物質(抗体)が人の体内でつくられます。この抗原や抗体を「ウイルスマーカー」といいます。

B型肝炎におけるウイルスマーカーは、B型肝炎ウイルス(HBV)における抗原と、それに対する抗体を血液検査によって調べ、B型肝炎の感染や治療経過を判断するのに用いられます。


HBs抗原は、B型肝炎ウイルス(HBV)という肝炎の原因となるウイルスの外殻にある抗原です。HBs抗原が高値(陽性)の場合は、B型肝炎ウイルスに感染していることを意味しています。


HBs抗体は、B型肝炎ウイルスの表面にあるタンパク質に対する抗体です。HBs抗体はB型肝炎ウイルスを無力化させるはたらきをもつため、HBs抗体陽性であれば過去にB型肝炎ウイルスに感染した経験をもつことがわかるとともに、B型肝炎ウイルスに対して抵抗力をもち、免疫があることを意味しています。


また、HBs抗体は、B型肝炎ワクチンの接種の対象となる方の選別や、ワクチンを打ったことで抗体がついたかどうかの確認に有効で、さらにHBs抗体の数値が10.0mIU/ml以下の場合は、B型肝炎ウイルスに対する免疫力が充分ではない可能性があるため、ワクチンを追加で接種することが望まれます。

陽性のときに疑う疾患

B型肝炎ウイルス感染症のうち:

HBs抗原陽性

現在のHBV感染

HBs抗体陽性

HBV感染の経験、B型肝炎ワクチン接種後

HBs抗原・HBs抗体陽性

B型肝炎が治癒する過程、2つ以上の異なるタイプのウイルスに感染しているとき。

Coffee break!

● HBs抗原とHBs抗体の関係

HBs抗原は、HBウイルスの外殻を構成するたんぱく質の1つで、感染の有無を判定する際に調べます。陽性であればB型肝炎ウイルスに感染していることを示しています。

HBs抗体は、過去にB型肝炎ウイルスに感染したが治癒しており、陽性であればB型肝炎ウイルスに対する免疫ができていることを示しています。

また、HBワクチンを接種すると陽性(+)になります。

B型肝炎ウイルス

B型肝炎ウイルス

抗体との反応

抗体との反応