フローボリューム曲線

解説

● フローボリューム曲線は、息をはくときのスピードと換気量を測定することにより得られるグラフで、肺機能の状態を調べる検査です。

フローボリューム曲線は、息をはくときのスピード(フロー)換気量(ボリューム)を測定して得られるグラフで、閉塞性肺疾患と拘束性肺疾患との鑑別疾患の重症度の評価治療への反応の評価に用いられています。

特に、喘息では重症度の評価に用いられ、重症な人ほど下に凸なカーブを描きます。ピークフロー値が正常でも、息をちょうど半分はいたときのスピードが低下していると、細気管支がまだ正常の太さに戻っていないと判断することができます。

もっと詳しく!

● いろいろな肺機能検査

呼吸機能検査は、呼吸のときの呼気量と吸気量を測定し換気の機能を調べる検査です。肺活量や1秒量を測定するスパイロメトリーや、努力性肺活量のフローから得られるフローボリューム曲線、体内の酸素や二酸化炭素の状態を知るための動脈血ガス分析、指先に挟んでおこなう酸素飽和度測定などが一般的におこなわれています。

フロー・ボリューム曲線

フロー・ボリューム曲線

正常

正常

喘息

喘息

Coffee break!

● 気管支の構造

気管は喉頭(のど)から肺まで続く空気の通る細長い管です。気管は左右の肺に枝分かれし、気管支と呼びます。さらに細かく分岐(細気管支)が進み、その先端に肺胞があります。肺胞は約3億個存在し、肺胞を広げた総表面積の総計は約70㎡で、たたみ約40枚になります。

気管支の構造

Coffee break!

● 肺胞におけるガス交換

毛細血管を流れる赤血球は、肺胞との間で酸素二酸化炭素のガス交換をしています。肺胞内に放出された二酸化炭素は、呼気として体外に排出されます。

一方、吸気として取り込まれた酸素は、赤血球のヘモグロビンと結びついて、全身に運ばれてゆきます。

肺胞におけるガス交換