十二指腸

解説

● 十二指腸は、胃から送られた食べ物に胆汁や膵液を加え、さらに消化します。

十二指腸の主な働きは、胃から送られた食べ物に、胆汁膵液の分泌を通じて消化を助けます。胆汁は脂肪の消化を助け、膵液は炭水化物やタンパク質の分解を助けます。そして、食べ物のさらなる消化を促進します。胆汁と膵液は十二指腸で胃からの食べ物に加わり、栄養素の吸収可能な形に分解されます。

胃から送られた酸性の強い食べ物をアルカリ性の膵液で中和します。これにより、消化酵素の働きが最適化され、栄養素の吸収が促進されます。

十二指腸のイメージ

もっと詳しく!

十二指腸は、胃から送られた食べ物に胆汁膵液を加え、消化システムにおいて重要な役割を果たしています。十二指腸の主な働きについて説明します。


a)胆汁や膵液の分泌

胆のうと膵臓は、胆汁や膵液を分泌します。これらの消化液には消化酵素や胆汁酸などが含まれており、脂肪やタンパク質の消化に重要な役割を果たします。胆汁は肝臓で生成され、胆のうに貯蔵されます。食事中に脂肪が摂取されると、胆のうから胆汁が放出され、十二指腸に流れ込みます。同様に、膵液も膵臓から分泌され、十二指腸に送られます。


b)食べ物のさらなる消化

十二指腸では、胆汁や膵液が胃から送られた食べ物に加わり、さらなる消化が行われます。胆汁に含まれる胆汁酸は脂肪を細かく分解し、膵液に含まれる消化酵素は炭水化物やタンパク質の分解を助けます。これにより、食べ物中の栄養素が吸収可能な形に分解され、体内への吸収が容易になります。


c)酸性の食べ物の中和

胃から十二指腸に送られる食べ物は、胃液の塩酸によって非常に酸性になっています。しかし、酸性の食べ物がそのまま腸に進むと、腸内の酵素の働きが阻害される可能性があります。ここで、膵液が重要な役割を果たします。膵液はアルカリ性の液体であり、胃から送られた酸性の食べ物を中和し、腸内の適切なpH環境を提供します。これにより、消化酵素の働きが最適化され、栄養素の吸収が促進されます。


十二指腸は、胃から送られた食べ物に胆汁や膵液を加え、さらなる消化を行う重要な器官です。胆汁と膵液に含まれる消化酵素や胆汁酸が食べ物の分解を助け、胃で形成された酸性の環境を中和することで腸内の消化活動を最適化します。これにより、私たちは食べ物から栄養を効果的に吸収し、体の健康を維持することができます。

十二指腸の構造

十二指腸の構造

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 胃酸の中和

胃酸は、強力な酸性の消化液です。そのため、胃酸を含んだ食べ物が小腸に入ると、胃酸の影響が気になりますが、大丈夫です。

酸性の食べ物は十二指腸に移動すると、膵臓からアルカリ性の膵液が十二指腸に分泌されます。このアルカリ性の膵液が、胃から送り込まれてくる酸性の食べ物を中和し、胃酸の強さを和らげているのです。

膵液の流れ

膵液の流れ

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 十二指腸と指との関係

十二指腸の名前は、指を12本並べたぐらいの長さに由来しています。実際の長さは、約25〜30cmです。 

昔はよく、手や足を長さの単位として用いていました。

フィートは、足の大きさに由来し、インチは、男性の親指の幅から由来していると言われています。

1インチは約2.5cmで、1フィートは12インチ、約30cmです。

十二指腸の長さは、両手の10本+2本の指の幅より少し長いため、実際は、12本分の親指の幅(12インチ)からきているかもしれませんね。


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 消化と吸収、排泄

消化

炭水化物やたんぱく質、脂肪は、いずれも複雑な構造をしており、口の中(口腔)で食べ物を細かくしてから、胃でさらに粉砕しどろどろの状態にします。


吸収

口腔、胃、十二指腸、小腸など様々な消化液が分泌され、食べ物を吸収しやすい状態まで分解し、主に小腸で吸収します。


排泄

小腸で吸収された残りは、大腸に送られてさらに腸内細菌により分解され、水分も吸収されて便として排泄されます。