尿比重

基準値

1.006~1.030

解説

● 尿比重は、尿に溶けている物質の濃度をあらわしています。尿をつくり出しているのは腎臓です。そこで尿の濃度(密度)は、腎臓がどれだけ尿を濃くしたり薄くしたりできるのかを診断する検査です。

尿比重は、尿に溶けている全ての物質の濃度をあらわしています。たとえば、脱水状態で体の水分が不足しているとき、濃い尿が正常通りつくられていれば、比重は上昇します。逆に尿崩症という病気のときは、尿を濃くする機能に支障をきたしてしまい、低い値のままとなってしまいます。


健康な人でも尿比重は常に変化しており、水分を飲んだ量、食事の成分、運動、汗をかくこと、季節といった周囲の要素など、さまざまなものから影響を受けます。

このため、外来で検査した尿1回だけの測定で病気の状態を判断することは難しいとされています。必要に応じてフィッシュバーグ(Fishberg)濃縮試験という、飲水を制限して、腎臓が濃い尿をつくり出せるのかをみる検査などを行うことがあります。

高値のときに疑う疾患

脱水症、高度の糖尿、高度のタンパク尿、造影剤の混入 など

低値のときに疑う疾患

水の飲み過ぎ、利尿剤が効いているとき、腎性尿崩症、真性(中枢性)尿崩症、腎実質障害(糸球体腎炎、腎盂炎、水腎症)など