● 尿沈渣は、尿中の細胞や結晶成分を分析して、腎疾患や尿路疾患を診断する一般的な検査です。
尿沈渣中にみられる成分は、尿路の各部から混入する赤血球、白血球、上皮細胞、腫瘍細胞、細菌、腎尿細管に由来する各種円柱、その他尿から析出する各種結晶、投与薬剤の結晶などです。
尿沈渣でみえるもの
毎視野に数個(400倍鏡検)以上認められれば病的である可能性があり、結石や泌尿器系腫瘍、慢性腎不全、特発性腎出血などが疑われます。
毎視野に数個(400倍鏡検)以上認められれば腎疾患や尿路疾患、特に膀胱炎、腎盂腎炎などの尿路感染症が疑われます。
細菌感染では好中球、結核や移植腎の拒絶時はリンパ球、間質性腎炎では好酸球が主に認められます。
正常尿ではほとんど観察されない。円柱の種類や性状によって、尿細管の崩壊過程と尿停滞の程度を知ることができ、円柱の数は病変の広がりを示しています。
体温から室温に冷却されることで、尿中に結晶が析出しやすくなるため、結晶の存在が、そのまま結石の存在を意味するものではありません。
常在成分の結晶化したもの(リン酸塩・シュウ酸塩・尿酸塩・炭酸塩・酸化ナトリウム)、常在成分でないもの(薬剤結晶)、病的成分(シスチン・チロシン・ロイシン・ビリルビン)、病的意義不明のもの(コレステロール)などがあります。
精子、トリコモナス原虫、蟯虫卵、細菌、真菌、脂肪球(高脂血症で出現)、マルベリー小体 などが観察されます。