ALT(GPT) アラニンアミノトランスフェラーゼ

基準値

5~45 U/L

解説

● ALT(GPT)は、代表的な肝機能の指標の一つです。肝細胞の破壊に伴い血中に増加します。AST(GOT)よりも肝臓に特異性が高く、肝炎の病状を評価するのに用いられています。

ALT(GPT)は、肝臓、腎臓、心筋などほぼ全ての臓器の細胞中に含まれていますが、特に肝臓に多く含まれており、AST(GOT)と比較して他臓器への分布量が少ないため、肝障害に特異的であるといわれています。しかし、その値の大小が、必ずしも肝細胞の壊死や肝障害の大きさを反映するものではありません。


ALTは、肝炎の経過観察によく用いられ、肝細胞の破壊に伴い1,000U/Lを上回る場合もあります。また、インターフェロン治療などが奏効するとALT値も鋭敏に低下し、治療効果の指標にもなります。

しかし、肝細胞から逸脱するALTが残り少なくなるとそれほど高値を示さなくなることがあり、肝硬変などでは軽度上昇にとどまることがあります。

高値のときに疑う疾患

劇症肝炎、ウイルス性肝炎、薬剤性肝障害、アルコール性肝炎、慢性肝炎(活動型、非活動型)、肝癌 肝硬変、胆汁うっ滞、閉塞性黄疸 など

(一般に急性、慢性肝炎ではALTがASTを上回る。また、肝硬変、肝癌ではAST上昇の方が優位といわれている)。

低値のときに疑う疾患

低値側の臨床的意義は少ない。