A/G アルブミン・グロブリン比

基準値

1.1~2.0

解説

● A/Gは、血中のアルブミンの値(A)とグロブリンの値(G)の比を算出したものです。重症肝疾患やM蛋白血症ではアルブミン(A)が減少しA/Gは低下します。一方、無γ-グロブリン血症ではグロブリン(G)が減少しA/Gは上昇します。

A/Gアルブミンおよびグロブリンそれぞれの量的変化を反映しています。

臨床的には、アルブミンの低下とグロブリンの上昇を示す疾患での異常低値が問題となる場合が多くみられます。例えば、肝機能低下糸球体腎炎などでのアルブミンの減少は、アルブミンの値を単独でみるよりもアルブミン・グロブリン比でみると、より病態を把握しやすくなります。

一方、グロブリンが減少する疾患は低~無γ(ガンマ)-グロブリン血症以外ほとんどなく、アルブミンが増加する疾患も高度の脱水以外はほとんどありません。

高値のときに疑う疾患

低~無γ-グロブリン血症

脱水による血液濃縮状態ではアルブミンの上昇をみることがありますが、グロブリンも同様に濃縮され増加するため、A/Gに理論上大きな変動はみられません。

低~無γ-グロブリン血症では、グロブリンの相対的減少によりA/Gが上昇します。

低値のときに疑う疾患

アルブミンは肝臓で合成され、ホルモン、脂肪酸等の輸送と膠質浸透圧の維持を行うもっとも基本的な血清蛋白です。ネフローゼ症候群や糸球体腎炎、火傷、癌性胸膜炎・腹膜炎などのアルブミン漏出性疾患や栄養不良、甲状腺機能亢進症などではアルブミンが減少し、A/Gは低値を示します。


また、慢性炎症性疾患では免疫グロブリンを含むγ-グロブリンの増加に加え、消耗状態を反映してアルブミンが減少するため、A/Gは低値になります。肝硬変が進行しアルブミンの合成能が低下したところにグロブリンの増加が加わると、A/Gはいっそう低下します。