αフェトプロテイン(AFP)

基準値

10.0 ng/mL 以下

解説

● αフェトプロテイン(AFP)は、肝細胞がんで上昇する腫瘍マーカーです。肝炎や肝硬変でも軽度から中等度に上昇します。

α-フェトプロテイン(AFP)は、おなかの中の赤ちゃん(胎児)の肝臓および卵黄嚢(おなかの赤ちゃんへの栄養分を包んでいる膜のことです)で産生され、胎児の頃だけにみられる特別なタンパク質です。


肝細胞がんにおいて血液中のAFPが増えることが発見されて以来、AFPは腫瘍マーカーとして非常に役立つことがわかってきました。血液中のAFP濃度が400ng/mLを超えたときには、肝細胞がんの可能性がきわめて高いことが知られています。


一方、肝細胞がん以外の他の病気では、慢性肝炎で軽度(~100ng/mL)、肝硬変で中等度(~400ng/mL)に上昇しますが、これらは肝細胞が壊れたのちに再生するとき、AFPが作り出されていると考えられています。また妊娠の後期には、胎児が産み出したAFPがお母さんの血液にもみられます。

高値のときに疑う疾患

肝細胞癌、ヨークサック腫瘍、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、先天性胆道閉鎖症、妊娠(特に後期) など